[コーヒー] コーヒー業界の課題

 先日名古屋に行ってとあるカフェに入り、シングルオリジンコーヒーを注文した時、豆の種類や精製方法を全く答えられない店員がいたことを紹介したが、後で調べるとこの人はラテアートの世界大会で3位を取った実績のある人だった。また、別の機会でコーヒーカップを温めずに抽出したコーヒーを注いで、冷めたコーヒーを出すお店に出あったことがあったが、このお店は自家焙煎珈琲を売りにしているところで、ロースティングの日本チャンピオンを輩出したお店であった。こういう人たちは、自分の興味のあることには徹底してこだわるが、その他のことについてはあまり関心がないようだ。お客さんに出すコーヒーが美味しいかどうかより、自分で納得いくラテアートができたり、ロースティングができれば満足するということなのだろう。でもこれって、サービス業に従事する人間としておかしい。

 スペシャルティコーヒーのブームに乗って、日本スペシャルティ協会が発足し各種の大会が開催されている。その数8種類。
 バリスタ、サイフォニスト、ラテアート、カップティスターズ、ハンドドリップ、コーヒーイングッドスピリッツ、ロースティング、ブリュワーズ。
 こんな細かくコーヒー技術を分類してチャンピオンを決めるから、先ほど述べたようなオタッキーで中途半端な業界人が増えることになっている。最近バリスタの世界チャンピオンが日本から出たようであるが、バリスタとはエスプレッソの名人のことで、私のようにエスプレッソを飲まない人間には関係がない。ハンドドリップ、サイフォンと抽出のカテゴリー別に競技会を開催しているが、大事なことは美味しいコーヒーを出すこと。本来的に、全ての抽出器具を使って、ベストな1杯を出して、お客さんに満足してもらうことが求められるのではないか。いくらある部門のチャンピオンでも、おもてなしの心がなくてお客さんイ:不愉快な思いをさせるのは論外だが、いろんなお店を訪問した経験からすると、接客の基本ができていない人間がカフェ業界には結構多い気がしている。

 ワイン業界の場合は、ソムリエの1つしかない。厳密に言えば業界経験のないワイン好きのための資格としてワインエキスパートがあるが、ワインに関するプロかアマかの違いで同じ資格として見ていいだろう。ソムリエコンクールの試験内容を見ると、ティスティングに関する知識や、サービスに関する知識、料理との相性を考えて白を提案したらお客から赤のほうが良いと言われた時にどのように対処するかなど、個別知識ではなく、ホスピタリティに関する総合的な技量を試される。最近はワインだけでなく、日本酒など全ての飲料と料理に関する相性について考えて行くべきだとの考え方も提唱されている。要するにあらゆるタイプのお客様に満足して帰っていただくための技量が問われることになっている。

 どっちのほうが良いのかは言うまでもないだろう。コーヒーとケーキなど食べ物との相性について言及した著作はすくないし、どのような味わいのコーヒーがどういったティストの食べ物との相性が良いかと言ったことに関して体系的に研究されているようにも見えない。ブームだと言って色んな雑誌でコーヒーのことが取り上げられているが、いずれも底の浅い提灯記事ばかりだ。産地別味わいの特徴、ハンドドリップで美味しく入れるには、ブレンドのやり方など色々なことが書いてあるようだが、いずれも過去の常識的な内容の焼き直しばかり。目新しさは感じられないし、進化しているようにも思えない。サードウェーブだと言って、ブルーボトルのコーヒーをありがたがっているようでは、先が見えていると言っていい。

 日本ではコーヒーもワインもブームと言われているが、このままではコーヒーブームが去るのもあと少しと感じている。


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